寒蘭の新芽
何十年ぶりかでカンランを育て始めました。一時期熱を上げていたのですが、突発事故でほとんど全てを枯らすことになって止めてしまいました。再開しようと思った切っ掛けが何だったのか自分でも分かりませんが、気が付けば数点の寒蘭が手元に。
寒蘭の観賞には面白い楽しみ方があって、新芽会という初夏の新芽時期に美しさを観賞する楽しみ方があります。もともと優美な草姿を尊ぶ蘭でもあり、花だけとか斑入りだとかの一点に注目するだけでなくて、全体のバランスを評価してきた伝統のある東洋蘭、寒蘭ならではだと思います。
写真の寒蘭は、笹平チャボと呼ばれている、土佐寒蘭の人気のグループで、金鵄や桃花の矮鶏寒蘭が多く見られる産地だそうです。乳白色の新芽で伸びてくる株には、桃花や金鵄のものもあるので、そういう花が咲いてくれたら良いなぁと期待しています。花は来年以降になりそうです。
こちらはまだ伸び始めて間もないのですが、「春光」という寒蘭の柄物を代表する品種です。古くは「緑宝」「天山」という有名な斑入りの品種が主流でしたが、春光は育てやすくて増殖がよいのであっという間に普及品になりました。止める前の頃にはまだ出始めで、欲しかったけれど手が出ない値段だったのを覚えています。
今ではそこそこの柄性のものでも大枚を叩かずに購入できますので、寒蘭の斑入り品を育ててみたいという方には、おすすめの品種ではないかと思います。長生蘭でもそうなのですが、縞斑は暴れやすくて左右の片側にしか斑が入らなかったり、棒縞になってしまったりと、見た目に美しい三彩柄の縞斑はなかなか出てくれないこともあります。
その点春光は適度にバランスの良い斑の入り方をする芽が多いらしく、地味柄、派手柄の違いはあれど斑入りの寒蘭として十分に楽しめる姿に育ってくれるそうです。そのお陰で増殖が良いと評されているのだと思います。いい方は悪いですが、歩留まりのよい品種という事なのでしょう。
まだ固い新芽ですが、先端の方には縞柄が見え始めています。芸が進むと中透けで安定するようなので、そういう芽が出てくれると嬉しいのですが、なかなか都合良くは行かないようです。
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