ヤシャビシャクの双葉

ヤシャビシャクの花
ヤシャビシャクの花

昨年の秋に実の付いたヤシャビシャクのポット苗を購入しました。ヤシャビシャクは学名が Ribes ambiguum Maxim. でスグリ属スグリ科の落葉小低木です。以前はユキノシタ科に分類されていましたが、APG分類ではスグリ科として独立した科で扱われています。

果実は硬い毛で覆われた1cmくらいの緑色の実で、縦長であまりスグリっぽくはありません。味もスグリと言うよりキウィフルーツに似た味で、甘味が少ない酸っぱいキウィをイメージするとそれっぽいと思います。スグリと言えばカシスに代表されるジュースやジャム、果実酒に利用される果実なので、生食向きではないと思われていますが、このヤシャビシャクに限っては生で食べてもそれなりに美味しいと感じる人がいるのではと思います。

ヤシャビシャク
ヤシャビシャク

木姿を見ればフサスグリなどを育てたことのある人なら、なるほど、と思って頂けると思います。自生地では日陰を選んで生育しているためか、細い枝を左右に伸ばして育つ姿が知られています。着生植物と呼ばれる他の樹木の洞や二股の枝の付け根など、水分があるところに生えるので、ブナなどの落葉高木の幹の上の方で見つかるようです。

自分は自生しているヤシャビシャクを見たことがありませんが、望遠レンズがないと写真が撮れそうにないところに生えているんだなぁと、いつか見てみたいと思いました。昔は明らかに山採りかな? と思われる高額な苗が販売されていましたが、今は実生苗が安価で流通しています。良い時代になりました。

ヤシャビシャクの双葉
ヤシャビシャクの双葉

実生は取り蒔きすればよく生えるという事だったので、昨年の11月に日向土の細粒に蒔いてみました。30~40粒くらいあったと思いますが、それが今週芽を出し始めたのが上の写真です。種子はケシ粒くらいの黒い小さいタネで、キウィフルーツの種によく似ていました。

分類場は Ribes なんですが、果実と種子を見ているとなんだかキウィフルーツの仲間のようにも思えてきます。他のスグリ属と似たところもあるけど、何かサルナシやマタタビに通じるものを感じてしまいます。APG分類でもけっこう離れた間柄なのですが、「他人のそら似」というものでしょうか。

本葉が出てきたら鉢上げしようと思います。30本くらい育ってくれると嬉しいのですけど、さて無事に育つでしょうか。