クロシオチドリとクロカミラン

クロシオチドリ・白地斑紋花

イワチドリがほとんど終了を迎えまして、代わってクロシオチドリとクロカミランが咲き始めました。ウチョウランも早いものは咲いています。昨年より舌のピンクが濃く出ているクロシオチドリの白地斑紋花です。相変わらず草姿の割に大きな花を咲かせてくれます。

クロシオチドリというのは、ウチョウランの地域個体群の一つと考えられていて、学名上はウチョウランと分けられていません。同様の個体群に、ツルギチドリ、テバコチドリ、小豆島ウチョウラン、ガンコラン、サイカイチドリといったものが有りましたが、現在も区別されて残っているものは小豆島ウチョウランくらいかもしれません。

その点クロシオチドリは、個体数が多かったのかいち早く保存会が発足したおかげか、今日でも多くの特徴有る個体が維持されています。早咲き、花が大きい、暑さに強いなど良い性質が多いので、今後も長く作り続けられて欲しいです。

クロカミラン霧点花

こちらはクロカミラン原種の3107番です。やはり霧点というには粒が大きい気がしますが、中裂片を中心に広がる斑点は美しいと思います。全体に丸みを帯びて優しい印象の花です。

クロカミランの咲き方を表現するときに、「なで肩」というものがあり、この花などは典型的ななで肩のものと思います。側裂片の肩部分が横に張らずになだらかに下がっているのは、クロカミランの特徴といっても良いかもしれません。全てのクロカミランがそうではありませんが、なで肩の花が多いと思います。

Posted by Bsaku