IY15紅一点仁王実生系の岩千鳥をいくつかオークションで入手しました。いくつか特徴的なものをご紹介したいと思います。最初は紅一点の仁王タイプで、最近の品種とくらべると花形も模様もおとなしいものです。

私はどうも紅一点やベタ紅などのはっきりした模様や、逆に模様の入らないタイプが好みのようです。

大仁王登録品種の「大仁王」の、もう一株が咲いてきました。こちらは本芸が出ていると思います。側裂片、唇弁下部とも扇状に広がって、細かい鋸歯もあります。いわゆる仁王タイプと呼ばれる、唇弁が大きく広くなった変異形です。

こんな花が自生地で見付かるのですから、イワチドリが持っている遺伝子の多様性には驚かされます。同じことはウチョウランやアワチドリにも言えるのですが。

きれいな四条点も特徴の1つになっていて、遺伝性は良いようです。

オオイワチドリイワチドリは日本に自生する野生ランで、地際から展開する一枚の葉と、チドリに似た可愛らしい花が特徴の原種です。わたしが子供の頃にエビネのブームがあったのですが、この頃に羽蝶蘭や岩千鳥もブームになり始めました。

その頃の趣味の山野草で写真を見たのが、オオイワチドリというランを認識した最初だったと思います。その後長野の山野草店や、甲府の山野草を多く扱う花屋で実物を見ました。その頃「オオイワチドリ」として売っていたのは、どれも写真のようなものだったと記憶しています。

剣GWの頃からイワチドリやエノモトチドリの開花が始まりました。スタートダッシュが早かった春が、いつもの季節感に戻ってきた気がします。でも、暑くなるのは早そうですね。

これは岩千鳥の「剣(つるぎ)」という品種で、日本イワチドリ愛好会登録No.287です。日本イワチドリ愛好会は、関西ウチョウラン保存会とともに、昔からイワチドリの品種を登録・保存管理していた団体です。解散してしまったのは残念です。

標準的な岩千鳥の花形で、喉元の二条点はト点と呼ばれるつながった棒状になります。遺伝的に面白い性質のようで、様々な品種の交配親になっているようです。